世の中には、大好物というわけではないのに、時々「無性に食べたくなるもの」がある。
少しも考えていなかったのに、ある日突然、ヨダレと共に思い出すのだ。
絶対に、何か依存させる「ヤバい物質」が入っているとしか思えない。
私にとってその筆頭が、「ホルモンの味噌炒め」である。
先日も突然、この発作が起きた。 一度思い出すと、もう頭の中が「ホルモン…味噌…」という文字で支配され、ヨダレが止まらなくなる(言い過ぎた)。
自炊絶対しないリストの筆頭
駐在主夫として、私は毎日のように料理をしている。 レシピさえあれば、大抵のものは作れる。
しかし、そんな私でも「家では作りたくない」と決めているメニューがいくつかある。 「ホルモンの味噌炒め」や「焼き鳥」などだ。
焼き鳥なんて「串に鶏肉を刺して焼くだけ」の極めてシンプルな料理だ。
だから日本の駅前には、あんなに焼き鳥屋が密集しているのだろう。
(このご時世に偏見が強すぎるか)
だが、いざ家で作るとなると、炭火も煙の処理も面倒くさすぎる。
ホルモンも同じだ。
下処理の手間、匂い、そもそも質の良いホルモンの入手経路。
家で作るもんじゃない。
店で食べた方が、よっぽど効率が良くて美味いのだ。
ジャカルタのオアシス「SUMIBI」
日本なら、その辺の中華屋やセブンイレブンに行けば、すぐにホルモン欲は満たされる。 しかし、ここはジャカルタだ。 果たしてホルモンの味噌炒めなんてニッチなものがあるのか。
あった。すぐ見つかった。
ガンダリア近くの「1Park Residences(ワンパークレジデンス)」の中にある日本食レストラン、「SUMIBI(場所リンク:https://maps.app.goo.gl/vuxN2niMB3bSEXBf7」)である。
すぐに向かった。 一人で店に入り、ホルモンの味噌炒めを頼む。
美味い。
これだけのために、舌がこれしか受けつけない状態で来たのだから、どんなクオリティでも美味く感じたかもしれないが、客観的に見ても十分に美味しかった。
謎の物質を渇望していた脳が、ようやく正常に満たされていくのを感じた。


謎の男との「無言の共鳴」
ここで、驚くことが起きた。
私が一人でホルモンを噛み締めていると、隣の席に、見知らぬ男性が一人で座った。
インドネシア人なのか、外国人なのかは分からない。少なくとも日本人ではない。
彼が店員に告げたオーダーを聞いて、私は心の中でガッツポーズをした。 「ホルモンの味噌炒め、で」
ほら見ろ。ほら見たことか!
やっぱり、みんな突然これが食べたくなる発作を抱えて生きているのだ。
国境を越え、人類はホルモンの味噌炒めに依存している。
隣の彼と、無言の連帯感が生まれた瞬間だった。
実際は目も合わせなかったが、きっと魂で共鳴していたはず。
そう、シンクロニシティだ。
罪悪感ゼロの「抜け駆けランチ」
家族を置いて一人で美味しいものを食べると、「ごめんね」という罪悪感が湧く。
だが、このホルモンに関しては罪悪感が完全にゼロである。
なぜなら、妻はホルモンなどの内臓系が好きではない。
肉を食べない息子は論外だし、4歳の娘も絶対に食べない。
彼らにとって無価値なものが私にとって価値がある。
平和なランチである。
(ただし一方で、私は罪悪感や背徳感が美味しさを増幅することも知っている)
結論:ジャカルタは便利すぎる
数ヶ月に1回、このホルモン発作が起きたら「SUMIBI」に行けばいい。
いつも思うが、ジャカルタで手に入らないものを探す方が難しい。
日本の文化も、会社も、レストランも、完全に浸透している。
駐在員としては、不便がなくて本当に助かっている。
きっと今この瞬間にも、ジャカルタのどこかで「ホルモン味噌炒めが食べたい……」とよだれを垂らし、発作に苦しんでいる駐在員がいるはずだ。
そんな同志たちのために、この日記を書いた。
SUMIBIのメニューには他にもたくさんの日本料理があったので、ぜひチェックしてみてほしい。
現場からは以上です。飯テロ失礼しました。