駐在主夫ですが、なにか? in Jakarta

ジャカルタで主夫してます。日々のことをゆるく記録中。 生活の中で気づいたことや、役立ったことをメモ代わりに。

海外で全てを手に入れた男の到達点は、ラフテルではなく「アリ地獄」だった

駐在主夫生活も、1年経っていないとはいえ、だいぶ長くなってきた。

私は妻の海外赴任に同行している。
いずれ日本に帰れば働くのだが、現在は「無職」。
働かずに、海外で暮らしている状態だ。

端から見れば、私の今の状況はこうだろう。
「働かずに海外でダラダラしている、夢のような生活」

もっと言おう。 現在の住まいはタワマンの27階である。高層階といっていいだろう。

窓からは素晴らしい展望が広がる。
エレベーターを降りれば、そこにはプールがあり、ジムがある。
そして何より、「働いていない」

海外特有の無駄に広い部屋で、日中を1人で過ごす。
これだけを聞くと、圧倒的な勝ち組だ。
「全てを手に入れた男」と言っていい。


優雅な駐在主夫の、優雅ではない現実

もちろん、現実は少し違う。
いや、だいぶ違うかもしれない。

朝は4時前に起きる。
子供たちのお弁当を作り、身支度を手伝い、家族全員の朝ごはんを作る。
子供の送り迎えをして、妻を仕事へ送り出す。

ちょっと一息ついて買い物に出かけ、お昼は昨晩の残り物をかきこむ。
掃除、洗濯、洗い物、そして晩御飯の仕込み。
これらを子供が帰宅するまでに全部終わらせる必要がある。

我が家には、多くの駐在員が雇っている「お手伝いさん」はいない。 車もない。お抱えのドライバーもいない。 移動のたびにタクシーを呼んでいる。

これらの「現実」を除けば、羨ましい生活なのかもしれない。
「除く現実」がデカすぎる気もするが、あまり深くは考えない。

それでも日本でフルタイム共働きをしていた日々を地獄と呼んでいいならば、やはり今は楽なのだろう。共働きの時は、今やっていることは変わらずに、さらに仕事が加わっていたのだから。 

だから、私はやはり「全てを手に入れた男」なのだ。
タワマンの高層階に住み、働きもせず、一人で過ごす。

最高と言っていい。


全てを手に入れた男が、日中やっていること

では、そんな夢のような環境で、私は一体何をやっているのか。

結論を言う。

部屋の至る所から出てくるアリを、ひたすら潰している。

これが私の日常だ。

タワマンの27階だぞ。 なぜ、アリが出てくるんだ。

少しは空気を読んでほしい。
こんな高層階に、小さなアリが列を作って歩いているべきではない。 おとなしく公園の空き地で過ごしてほしい。
それがアリの本来の姿だろう。

ゴキブリでさえ、空気は読んでいる。
「さすがに27階はマズイっすよね」と遠慮しているのか、一度も見ない。
なのに、アリの奴らはなぜかちまちまと、ちょこちょこと出てくる。

なぜ、全てを手に入れたはずの男が、 誰もいない日中に、 広いリビングの床に這いつくばって、ひたすらアリを探しているのか。

自分でも何を言っているのかわからないが、事実だから仕方がない。


駆逐してやる。一匹残らず

私は過去に他の途上国にも住んでいたことがある。
だから、部屋にアリがいること自体は、別に気にならない。
私一人なら、共存の道を選んだだろう。

しかし、子供たちはそうはいかない。
特に娘は、どんなに小さなアリでも見つけるたびに悲鳴を上げる。

私は娘がアリを見つける前に始末しなければならない。

「駆逐してやる」

一匹残らず、この部屋から駆逐してやる。

アリの数を減らし、出てくる場所を見つけ、そこを埋める。 だいぶ埋め尽くして、ほとんどいなくはなった。

それでも、やっぱりどっからともなく数匹が姿を現す。
そんな時の最終兵器が「アリメツ」だ。

本帰国する駐在員からいくつも譲り受けた、謎の液体。
これを垂らすと、アリが来なくなるらしい。

本帰国する駐在員から受け継がれるのが、家具家電ではなく、「アリメツ」
ジャカルタのリアルがここにある。


結論:到達点はアリ地獄だった

毎日、毎日、床に這いつくばる。 アリを探し、潰し、穴を見つけては塞ぐ。

エレガントな駐在主夫の姿は、そこにはない。 

とにかく、これだけは言える。

タワマンの27階に住み、働かず、優雅な時間を手に入れた男。 そんな男の最終ゴールは、ひとつなぎ大秘宝(ワンピース)ではなかった。

ただの、「アリ地獄」だった。

これからも、こんなクソみないな主夫生活をありのまま書いていきたいと思う。

アリだけに。
(おっと、静寂を生んでしまったな)

 

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