今回は、ジャカルタから子連れで行ったシンガポール旅行の後半戦の話である。
シャングリラのプール、ラオパサ、クルーズ、高島屋、ナイトサファリ、ジュエルなどを回って感じたのは、結局「普通に歩ける街」の強さだった。
前半は、AirAsiaにだいぶ壊された。
近いはずのシンガポールが全然近くなく、旅行初日から「もう帰りたい」とまでは言わないけれど、少なくとも「なんでこんな目に」とは思った。
でも後半は違った。
ようやく、シンガポールの良さをちゃんと味わえた。
というか、歩けるだけで感動した。
ジャカルタに住んでいると、外を気持ちよく歩けることの価値を忘れかける。
シンガポールは、そのことを思い出させてくる街だった。
そして同時に、かなりお金もかかった。
だが旅行中は、そこをあまり細かく考えないようにした。
会計時にはいつも目を細めた。そしてレシートは見ずに捨てた。
- 第8章 — シャングリラのプールで息子の何かが覚醒した
- 第9章 — ラオパサより、歩ける街の方が刺さった
- 第10章 — 金に糸目をつけなければ、旅はだいたい快適(ナイトクルーズ)
- 第11章 — 高島屋と紀伊國屋が強すぎた
- 第12章 — ナイトサファリは、思ったより見えない。でもショーは良かった
- 第13章 — 最終日はジュエルで延命した
- 最終章 — 帰ってきたら、そこはジャカルタだった
- 結論
第8章 — シャングリラのプールで息子の何かが覚醒した
3日目は、少しゆっくりする日にした。
朝からシャングリラホテルのプールへ。
このホテルを選んだ理由の一つが、子ども向けのプールエリアが強いことだった。
実際、良かった。
子ども向けのSPLASH(スプラッシュゾーン)は、「水の公園」である。
海賊船っぽい遊具、水が飛び出す仕掛け、上から大量に水が落ちてくるやつ。子どもが好きそうなものが一通り揃っていた。
無料。予約不要。
午前と午後と開いている時間帯は決まっているから、時間内に行く必要はある。



2人とも夢中だった。
ただ、息子は別のものにも目をつけていた。
SPLASHエリアではなく、普通のプールの一角に、2.5メートルの深さのプールがある。
大人でもまったく足がつかない。
私は「すごいな」と思って見ていたのだが、息子は「ここ入りたい」と言い出した。
昨日、USSであの恐怖のジェットコースターに乗ってから、彼の中の何かが狂った。
もちろん隣についていたが、足がつかない場所で泳ぎ切るしかない状況が、そのスリルが、逆に楽しいらしい。
危機感と興奮が混ざると、人は少し成長するのかもしれない。愚かになると表現する人もいるだろう。
息継ぎもまだ完璧ではないのに、止まったら死というスリルで端から端まで泳ぎきった。
何度も往復していた。
なるほど、こういう練習法もありなのか。
第9章 — ラオパサより、歩ける街の方が刺さった
お昼はラオパサへ。
ラオパサは観光客向けの有名フードコートで、
屋台が多く選択肢がかなり多い。
多すぎる…。
昔、何かで読んだが、選択肢が多いことと満足度は一致しない。
こういうの、選択肢が多いほど幸せになれるとは限らない。
むしろ迷う。決められない。


結局、ダックっぽいものとか、ラクサっぽいものとか、いろいろ食べた。
でも正直、家族全体としてそこまで強くハマった感じではなかった。
「まあ、こんなもんかな」
我が家のシンガポールのローカルフードに対する感想だ。
ホテルの朝食で食べたカヤトーストも甘すぎた。
悪くない。でも、すごく刺さるわけでもない。

ただ、そのあとが良かった。
ラオパサからマーライオン方面へ歩く。
この「歩く」が、とにかく気持ちよかった。
ジャカルタでは、あまりこういう感覚がない。
外を歩く前に、暑さと大気汚染と車、バイクの渋滞のことを考える。
というか、外を気軽に歩けない。
シンガポールでは、それがない。
きれいで、整っていて、普通に歩ける。
ゴミ一つ落ちていない。
海沿いを家族で歩ける。
それだけで、かなり満たされた。
マーライオンは、しょぼいしょぼいと言われがちで、私も昔見た時の印象はそうだった。
でも、期待値が落ちきっていたおかげで久しぶりに見ると、意外と悪くなかった。
まあ良いわけでもなかったが。
とりあえず、口から水を受けるありがちな写真は撮った。
第10章 — 金に糸目をつけなければ、旅はだいたい快適(ナイトクルーズ)
そのあたりを歩いていると、ナイトショー(マリーナベイ・サンズ「スペクトラ」)に合わせたボートクルーズがあることを知った。
最初は、普通に立って見るつもりだった。
でも子どもがまだ小さい。
人混みの中でちゃんと見えるのかも怪しい。
ということで、また課金した。
船から見ることにした。
誰かのブログだと現地でしか予約できないとあったが、オンラインで普通に事前予約できた。大人1人40シンガポールドルして引いたが、どうやら観覧車乗るのも同じ値段らしい。
じゃあクルーズのほうが良いだろう。
観覧車よ、背中押してくれてありがとう。

気づくと「お金で快適を確保している」。
でも子連れだと、そうするしかない。
悔しいが、どうぞ足元を見てくれ。
クルーズ前に、ジャンボシーフードでチリクラブを食べた。
子どもたちが最近カニにハマっていたので、これはかなり当たりだった。
娘には少し辛かったが、辛くない部分をちゃんと食べていた。
息子は喜んでいた。
揚げパンを4回くらい注文して、チリソースにつけて食べ続けた。
そして船。
ライトショー自体は、ものすごく感動するタイプではない。
水と光の演出で、「おお、きれいだな」という感じ。
でも、それでよかった。
船に乗って、夜景を見て、風に当たりながら、座って、子どもたちも疲れなくて、機嫌が良くて、ちゃんと最後まで見られる。
その総合点が高かった。
課金した甲斐があった。
娘はこの日ずっと「これまでで一番最高の日」と何回も言っていた。
昨日も言っていたが、まだ4年しか生きていないから、良しとしよう。
どうせ“最高”は、またすぐ更新されるだろうけど、そのたびに本気なのだろうから、こちらも少し嬉しい。


第11章 — 高島屋と紀伊國屋が強すぎた
シンガポールで地味に強かったのが、高島屋だった。
シャングリラホテルから無料シャトルバスで行けるのもありがたい。
タクシー代が高すぎるから、無料バスの存在がすでに福祉である。
高島屋には、日本の薬局(Nishino)がある。
紀伊國屋がある。
デパ地下がある。
もはや安心感の塊である。
薬局では、日本のものじゃないと微妙に落ち着かない薬を少し買った。
そして、ねるねるねーるやアンパンマンキャンディとかいらないものも買わされた。
紀伊國屋も良かった。
プラザスナヤンのと全く違う。
広い。大阪梅田駅のあれだ。もっと広いかも。
英語の本がメインではあるが、日本の本のコーナーもあって、息子が今ハマっている本もちゃんと並んでいた。
グレッグのダメ日記、おしり探偵、かいけつゾロリなども揃っていた。

ただ値段は日本の倍くらいした。
高い。
でも買った。昨日も買ったがこの日も買った。
本に関しては、甘い。
おもちゃは買わないが本ならいい、となる。
早く日本に一時帰国して息子の本を爆買いしたい。
第12章 — ナイトサファリは、思ったより見えない。でもショーは良かった
4日目はまた朝にSPLASHとプールに行き、そのあとオーチャード方面へ。
TWGでお茶をした。
息子は、なぜか紅茶にハマっている。
というかお茶にハマっている。
8歳男子がTWGのテディベアグミ(Tea Teddies)を探している姿は、なかなか味わい深い。
私は知らなかったが、このクマのグミは人気でほとんど手に入らないらしい。
結局、シンガポールで5店舗ほど寄ったが、なんとか1つ手に入っただけだった。
(見つけたのはストロベリー味で高島屋のデパ地下!)
空港店舗の店員さんに、「すみません」と声かけただけで「グミはないよ」と返されるくらいだった。
店員さんも聞かれ疲れているのだろう。

高島屋のデパ地下もかなり良かった(また来た)。
ちょうど日本食フェアみたいなものをやっていて、塩辛やら明太子やらつぶ貝の甘露煮とか、かなり刺さるものが並んでいた。
60周年だそうな。
毎年このタイミングでやっていそうなので、レバラン休みにシンガポールはなかなか良い選択なのかもしれない。


そしてシンガポールまで来てまで、うちはイカの塩辛を買った。
だってジャカルタではそう簡単に食べられないのだもの。
カニ弁当、トンカツ弁当、3色団子など日本ぽいものを買ってホテルで食べた。
夜はナイトサファリへ。
(我が家はKlookでチケットを事前購入)
「夜に動物園」という響きは強い。
行く前はだいぶ期待していた。
で、行ってみた感想。
思ったほど、動物は見えない。
というか寝ている。
普通に夜にぐっすり寝ている。
イマイチだなあと思っていたら、空気を読むという言葉知らない子供達は、普通に声に出してイマイチと言っていた。
ただ、ショーは良かった。
これは正解だった。
予約要だが無料。
(予約はアプリ「Mandi」から簡単にできる。私はトラムに並んでいる間に予約した。トラムから戻ってくる大体の時間を予測してショーの時間を選んで予約するのが良いと思う。)
子どもはやはり、動物がちゃんと出てきて動くショーに強く反応する。
小さなキツネみたいなやつ、フクロウ、イノシシ、いろいろ出てきた。
そしてビントロングも出た。
私はビントロングが好きなので、普通に興奮した。
猫みたいなクマってギャップがすごい。唯一無二の魅力。
息子はお土産選びも楽しんでいた。
娘は眠くてだいぶ壊れかけていて、「どのぬいぐるみも可愛すぎて決められない」という幸せな理由で泣いていた。
いや、そもそも、もうぬいぐるみは増やさないで欲しい。
思いが通じたのか、結局、外の露店でホワイトタイガーの自動シャボン玉機を買っていた。
これまた誰かのブログで動物園からはGRAB使えない(近くにいない)から、動物園にいるタクシーにぼったくられても乗るしかないとあったが、普通にGRABのタクシー来てくれた。
まあそれでもタクシー料金は毎回驚くほど高いけど。
特にジャカルタと比べると高い。
まあもう金額見ないけど。
第13章 — 最終日はジュエルで延命した
5日目、帰る日。
ここでまたAirAsiaが遅れた。
もう驚かない。
むしろ、今回は昼便が夕方にずれたので、「シンガポールに長くいられる」と前向きに受け止めた。
行きで削られた時間が相殺されて良かったと思うようにした。
(ただもうAirAsiaを使うことはないだろう)
朝はデパ地下で買ったミスドと、ホテル売店のフルーツで軽く済ませる。
旅の終盤を感じる朝ごはん。
その後、空港のジュエルへ。
シンガポールの空港はジュエルのおかげで世界一らしい。
何が一位なんかは知らんけど。
ただ滝は良かった。迫力あった。
マーライオンの完敗だった。

ジュエルで昼ごはんを食べて、キャノピーパークへ行った。
完全に日本の居酒屋があったので、そこで食べた。
うどん、ざるそば、寿司、海鮮丼。

キャノピーパーク、息子とはネットの上を歩くアクティビティにも行った。
高い場所に張られたネットの上を歩くやつで、本人は少しビビっていた。
でもやっていた。
リベンジ・オブ・ザ・マミーに乗って以来、無敵だ。
娘は身長制限で入れず、不満そうにしていたが、妻と買い物へ行った。
ここでもまた、身長制限の壁が立ちはだかった。
ジュエルは楽しかった。寄れてよかった。
時間さえあればもっとゆっくり見たかった。
最終章 — 帰ってきたら、そこはジャカルタだった
シンガポールからジャカルタへ戻ると、やはり少し空気が変わる。
タクシー乗り場のごちゃつき。
タクシー乗りたきゃ機械でチケット発券して待ってろと言われたが、その機械が壊れていた。
ああ、戻ってきたなと思う。
夜、もうご飯を作る気力がなくて、帰りのタクシーの中でラーメンをデリバリー注文した。
表示では50分くらいだった。
まあ、帰宅して少し待てば食べられるだろうと思った。
甘かった。
結局そこからさらに1時間以上遅れた。
旅の最後に、ジャカルタらしい。
その間に、息子は寝た。
そりゃ、もう9時だ。寝る。
結局9時過ぎて届いたので、妻と娘と軽く食べて寝た。
残りは翌日の昼ごはんにした。
帰国直後にこれを食らうと、「ああ、ジャカルタだな」としみじみ思う。
「食らう」とはラーメンじゃない。大幅遅延だ。念のため。
決して愚痴っているわけではない、批判しているわけではない、現実として。
結論
シンガポールは高かった。
タクシーも高い。ご飯も高い。
なんでもだいたい高い。
でも、それでもまた行きたいと思った。
理由はシンプルで、近いから。
そして、歩けるから。
きれいで、安全で、空気も比較的よくて、街を家族で歩ける。
この“普通に歩ける”が、思っていた以上に気持ちよかった。
ジャカルタは、住んでみると便利だし、何でもあるし、思っていたよりずっと暮らしやすい。
でもシンガポールに行くと、足りなかったものに気づく。
自然。
安全。
きれいさ。
そして、散歩できる街。
シンガポールは、その全部のレベルが高かった。
2時間で行けるのもありがたい。
今回はAirAsiaのせいで、その2時間がまったく2時間ではなかったが。
それでも総じて、楽しい旅行だった。
今度はもう少しスムーズに行けたらうれしい。
そしてできれば、ラーメンは帰宅後すぐ届いてほしい。