
ジャカルタで、娘がバレエをしている。
いわゆるクラシックバレエだ。
日本人の先生が教えてくれている。
どうやって知ったのかは忘れたが、体験に行って、
「まあ、やってみるか」と始めた。
息子は、それなりに習い事をしている。
キックボクシング、ピアノ、マイクラ英語、ロボティクス。
興味の入り口を増やしたいという、親のエゴ込みだ。
一方で娘は、まだ小さいし、特に何もしていなかった。
体は柔らかいし、踊るのも嫌いじゃなさそうだし、
バレエくらいなら、という軽い気持ちだった。
バレエは、基本的に「母の世界」だった
バレエ教室は、当然なのかもしれないが、女子の世界だ。
年上のお姉さんもいるし、
大人の女性もいる。
基本的に「男性は入らないでください」という空気がある。
空気があるというか、はっきりとスタジオに入らないでくださいと言われている。
これはもう、仕方ない。
だから、バレエに関しては、妻が担当している。
私は、
-
レオタードに着替えさせる
-
髪をシニヨンにする
ここまではやる。
(ここまではやらせてくれ。)
ただ、実際の練習風景は、ほとんど見ていない。
家でも、特に練習しない。
正直、どうなるのか分からなかった。
初めての舞台。踊れていなくても、ただただ可愛い
今回、発表会(コンサート)があった。
習い始めて間もないので、当然、上手に踊れるわけではない。
それでも、舞台に立つ。
結果。
可愛かった。
世界で一番可愛いのが、
舞台に立って、
衣装を着て、
照明を浴びる。
そりゃあ、反則だ。
踊れていなくても可愛い。
一生懸命やっているだけで可愛い。
そして、気づいたら泣いていた。
理由は分からない。
ただ、
「娘が舞台に立っている」
それだけで、胸に来た。
緊張もしていない。
堂々としている。
それがまた、すごいなと思った。
同じ日、息子はピアノのリハーサルで固まった
同じ日、
息子はピアノの発表会のリハーサルがあった。
結果から言うと、弾けなかった。
椅子から立てなかった。ピアノの前に座れなかった。
これは予想通りだった。
息子は、人に注目されると固まる。
-
クラスでの発言はほぼゼロ
-
当てられると止まる
-
だから、練習ではできるが、本番になると動けない
そういう子だ。
発表会の話が出たとき、
私は「今回は無理して参加しなくていい」と伝えていた。
トラウマを増やすより、
もっと小さい成功体験を積んだ方がいいと思ったからだ。
それでも、本人が「出る」と言った。
「泣くかもしれない」
「弾けないかもしれない」
それも分かった上で、だ。
なら、止める理由はなかった。
期待しない親には、なれない
リハーサルで弾けなかった。
時間もお金もかかっている。
結果だけ見れば、何も残っていない。
しかも、これは予想通り。
でも、それでいい。
親として、
息子に「期待しない」という選択肢は、たぶん一生ない。
この子が諦めない限り、私は諦めない。
遠回りでもいい。
止まってもいい。
この子のペースで、
越えられる日が来ると信じている。
そのためなら、
自分の時間も、労力も、全部使っていいと思っている。
子どもを持って、いつの間にか人生の重心が変わっていた
娘の舞台を見て、
息子のリハーサルを見て、
改めて思った。
子どもって、すごい。
自分より大事なものができるなんて、本当に不思議だ。
たぶん、
私の残りの人生は、
子どもたちのためにある。
それが、嬉しい。
そんな一日だった。
娘は、もう「バレエはいいかな」と言い出している。
次はピアノがやりたいらしい。
息子は、
本番でも弾けないかもしれない。
それでもいい。
親として、心が忙しい日だった。
以上。