駐在主夫ですが、なにか? in Jakarta

ジャカルタで主夫してます。日々のことをゆるく記録中。 生活の中で気づいたことや、役立ったことをメモ代わりに。

【ジャカルタ生活】モールのゲームセンター事情。大量の紙チケットと謎の景品ラインナップ

ジャカルタに来て間もない頃の話だ。

まだ子どもたちの学校も幼稚園も始まっておらず、彼らの体力と気力は常にフルチャージ状態だった。 ホテルにずっと籠もっているのにも限界がある。 私は、有り余るエネルギーを放牧するため、子どもたちを連れて近くのモールへ避難した。

結論から言う。 そこで私は、この世界で最も「エコ」からかけ離れた狂気のシステムを目撃することになる。


7歳と3歳のニーズは交わらない

モールに着き、最初に見つけたプレイグラウンド。 3歳の娘にはちょうどよかった。しかし、小2の息子は冷めた目でそれを見て、はっきりと宣言した。

「ここは違う」

一丁前である。 じゃあどこに行くんだよ…と広いモール内をさまよい歩き、ようやく辿り着いたのが「ゲームセンター」だった。 ジャカルタのゲーセンの仕組みは、基本的にどこも同じだ。

  1. まず専用カードを買う

  2. カードにお金をチャージする

  3. ゲーム機のリーダーにカードをかざしてプレイ

非常にスマートである。 キャッシュレス。ペーパーレス。 デジタル化の波は、ジャカルタのゲームセンターにも完璧に浸透している。 日本のメダルゲームのように「まとめ買いでおまけ」のシステムもしっかり存在したため、私はとりあえず200,000ルピア(約2000円弱)をチャージした。

遊べるゲームのラインナップも、日本のショッピングモールとほぼ同じだ。 クレーンゲーム、エアホッケー、メダル落とし。 子どもたちは大はしゃぎで、ずっと笑っている。平和な休日の光景だ。

だが、ゲームが終了した瞬間、その平和は崩れ去った。


終わらない紙吹雪。狂気のアナログ排出システム

ゲームでスコアを獲得すると、機械の足元から「紙のチケット」が吐き出される。 ここまではいい。

問題は、その「量」である。 50スコアなら50枚。 120スコアなら120枚。

文字通り、その枚数ぶんの紙チケットが「ベベベベベベ…」と無限に連なって吐き出され続けるのだ。 1回のゲームで100枚とかが普通に出る。 ちょっと調子に乗って連続プレイしようものなら、足元はたちまち紙の海になる。

周りを見渡して震えた。 常連っぽいローカルの人たちは、買い物カゴ2〜3個を「紙のチケットの束」で満タンにしている。 ガチャガチャのカプセルがいっぱい、とかいう次元ではない。 スーパーの買い物カゴが、紙でパンパンに埋まっているのだ。

決済はカード。 ポイント管理もカード。 これだけデジタル化の恩恵を受けておきながら、なぜ「スコアの排出」だけ突然昭和に戻るのか。 めちゃくちゃアナログである。 正直、全くエコじゃない。地球環境に真っ向から喧嘩を売っているシステムだ。

景品コーナーに鎮座する「ティファールの鍋」

この大量の紙くず……いや、チケットをどうするのか。 カウンターに持っていき、ポイント化して景品と交換するのだ。

ここでさらなる試練、紙チケットの「カウント作業」が発生する。 専用の機械に、長々と連なった紙の束をズドドドドと吸い込ませていく。地味に面倒くさい。 だから、最初から全部カードにデジタルポイントとして貯めればいいじゃないか。なぜ一度、物理(紙)に出力した。

そして、苦労して数えたポイントで交換できる景品。 日本のゲーセンなら、うまい棒か消しゴム、良くて小さなオモチャだろう。

ジャカルタは違う。 景品の幅が広すぎる。というか、完全に狂っている。

ぬいぐるみ、お菓子、カードゲーム、レゴ。 ここまでは分かる。 その横に、小型家電、そして「ティファールの鍋やフライパン」が堂々と並んでいるのだ。

えっ? 鍋? ゲームセンターで、鍋?

主婦層を狙っているのか。いや、ゲーセンで本気出して鍋を狙う主婦はいないだろう。 さすがインドネシアである。 実用的すぎるラインナップに「よし、いっちょフライパンでも取って帰るか」と本気になりかけたが、数秒後に「普通に買った方が安いわ」と現実に戻れた。私は賢い。もう一度言おう私は賢いのだ。

結局、我々が必死に集めたカゴ一杯の紙の束は、子どもたちのスナック菓子数個に化けた。

結論:エコじゃないけど、子どもは嬉しい

システムは完全デジタル。 でも、結果だけは山盛りの紙束(完全アナログ)。

この無駄だらけの紙チケット文化が、一体いつまで続くのかは謎だ。 私はずっと「エコじゃないなぁ」「数えるの面倒だなぁ」と、効率とSDGsのことばかり気にしていた。

だが、大量の紙の束を抱えた子どもたちは、「自分たちの手で宝の山をもぎ取った」かのように誇らしげで、心の底から嬉しそうだった。 見えないデジタルポイントが貯まるよりも、物理的な紙の束の方が、彼らにとっては圧倒的な「達成感」なのだ。

大人はすぐに効率やエコを語る。 だが、子どもにとっては物理的な量こそが正義なのかもしれない。

ジャカルタで子連れで暇を持て余したとき。 地球環境にはすこぶる悪いが、この「非エコな宝探し」は、悪くない選択肢の一つになると思う。

 

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