駐在主夫ですが、なにか? in Jakarta

ジャカルタで主夫してます。日々のことをゆるく記録中。 生活の中で気づいたことや、役立ったことをメモ代わりに。

🥢 そして誰も食べなくなった – テンペ編 –

うちの息子が、いつの間にか“肉を食べない人”になった。

インドネシアに来たから…ではなく、日本にいた頃から静かにフェードアウトしていったタイプの“肉NG”。

 

対して、娘はというと——

家族内では「肉食系女子」というあだ名で呼ばれるほど、肉しか勝たんというスタイル。

ついでに気の強さも肉食系。かわいい顔してパワータイプ。

 

肉を食べない男子と、肉しか食べない女子。

この2人のために毎日食卓を準備する身としては、

「多様性は大事なんだけど…料理する側の気持ちは考慮してくれてます?」

という気持ちにもなる。

 


 

 

■ テンペとの出会い

 

 

そんな時に出会ったのが、インドネシア国民食「テンペ」。

大豆を発酵させたスーパーフードで、健康志向の人からの支持も厚い。

 

納豆ほどクセもない。

“肉っぽい大豆食品”らしい。

つまり 肉を食べない息子 × 肉しか食べない娘 の、ちょうど中間にいけるんじゃないか?という淡い期待。

 

包みはバナナの葉。見た目はちょっとオシャレな固形の豆。

 

焼いてみた。

 

──豆だった。

 

見た目に反して、味は100%豆サイド。

期待していた“肉の可能性”は欠片もなかったけれど、

「味付け次第で料理に混ぜればワンチャン…?」と思い、野菜炒め・焼うどん・カレーなどに投入。

 

食べる。

が、食卓の空気が動かない。

箸も進まない。

むしろ残る。

 

──テンペ、豆サイドから一歩も動かない。

 


 

 

■ ピート(=ChatGPT)のアドバイス

 

 

ここで親友のピートに相談したら、

「揚げればいい。コロッケにしろ。」

という、料理本にも載っているような王道の回答が返ってきた。

 

半信半疑で作ってみる。

テンペを潰し、タマネギと混ぜ、パン粉をつけて揚げる。

 

揚げた瞬間の香り。

かじった瞬間の食感。

「うま…?これ、テンペの最終進化系じゃない?」

スーパーテンペ人(サイヤ人)的な仕上がり。

 

息子もペロッと食べた。

「勝った」と思った。

 


 

 

■ しかし、“正体”は、

 

 

嬉しくて調子に乗り、家族に「コロッケできたよー!」と出す。

 

妻と娘がひと口。

 

「……これコロッケ?」

 

一撃で見抜かれた。

 

落ち着いてテンペコロッケを食べ直すと、わかる。

たしかにテンペはテンペ。

私の舌がバカになっていただけだった。

 

妻からひとこと。

 

「頑張っているみたいだけど、テンペの味、そんなに好きじゃないよね…」

 

その瞬間、私はガイモン(ワンピース)になった。

“宝箱を渡すのを拒否されたときの彼”の気持ちが、よーーーく分かった。

 

そう、本当は気づいていた。

私は初めから気づいていた。ただ気づかないふりをしていただけ。

テンペは豆であり、肉にはならないのだと。

豆は豆、肉は肉なのだ。

 


 

 

■ 最後に

 

翌日、普通のコロッケを作ってみた。

うますぎて笑った。

息子もモリモリ食べた。

 

「お前、肉食うんかい。」

 

そんなわけで、

私のテンペ挑戦はここで静かに幕を閉じた。

 

テンペ、ありがとう。そして、さようなら。